錦織圭のデ杯欠場に、植田監督、M・チャンほか、それぞれが思うこと (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 2017年シーズンのデ杯のスケジュールは、準々決勝が4月7~9日でMS1000・マイアミ大会の翌週、準決勝およびプレーオフ(入れ替え戦)が9月15~17日でUS(全米)オープンの直後。決勝が11月24~26日でATPワールドツアーファイナルズの翌週で、トップ選手にとって殺人的なスケジュールであるのは明らかだ。

 そのうえ、2016年シーズンから、オリンピック同様、デ杯もランキングポイントが付かなくなってしまった。変更について、男子ツアーを運営するATP(テニス選手協会)とデ杯を運営するITF(国際テニス連盟)で話し合いがあったということだけで、はっきりした理由は定かではない。

 最近では、デ杯の在り方が現在のツアーにそぐわなくなり、構造的変革の時を迎えているという意見も多い。例えば、ジョコビッチは改革を提案し続けているひとりだし、多くの選手から意見は出されている。5セットマッチから3セットマッチへの変更。世界各地の分散開催ではなく1カ国での集中開催へ。毎年開催ではなく隔年開催へ。金曜から日曜の3日開催を金曜と土曜の2日開催へ、といったものだ。だが、現時点でITFが受け入れた事項はない。

 植田監督は1900年から始まった伝統ある男子国別対抗戦に敬意を表しながらも、デ杯の存在価値を危惧し、現在の状況に不安を抱いている。

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