錦織圭のデ杯欠場に、植田監督、M・チャンほか、それぞれが思うこと (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「圭は毎回デビスカップでプレーしてきたけど、日本代表のために長距離移動するのはデリケートな部分が伴うし、決して容易なことではない。オーストラリアのハードコートから、(南米の大会は)コートサーフェスも変わる。以前なら、圭は3回戦や準々決勝で負けていたけど、今はどのトーナメントでも安定した結果を残していて、試合数も増えている。だから、圭の決断を尊重している。長い目で見て、今季のこれからを踏まえ、バランスを考えないといけないし、優先順位を決めないといけない」

 今回のWG1回戦で、代表を辞退しているのは何も錦織だけではない。イギリスではアンディ・マリー(1位)、スイスではロジャー・フェデラー(10位)やスタン・ワウリンカ(3位)が、錦織と同じように早々と辞退をしていた。さらに直前になって、全豪準優勝をしたスペインのラファエル・ナダル(6位)も辞退を表明した。

 トッププレーヤーの多くが辞退した背景には、WG1回戦の日程変更がある。ここ2年は3月の第1週だったが、今年から2月の第1週に変更された。ナダルのように、全豪で勝ち残るほど選手への負担は大きくなり、デ杯までに体を回復させるのは難しい。

 そもそも、トップ選手の辞退は決して今回に限ったことではない。以前からフェデラーやノバク・ジョコビッチ(2位)らはたびたび辞退をしていた。特に、グランドスラムで優勝争いをするような選手にとっては過酷なスケジュールになるため、ATPツアーの個人戦とデ杯団体戦の両立は難しい。グランドスラム優勝という目標のために、個人戦を優先させることはめずらしいことではない。

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