伊達公子を抜いたクルム伊達公子。「まだやめるつもりはない」 (2ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「最近5週間では、いちばんいい状態が続いています。ただ、寝ている時だけは痛い。右肩は滑液包炎なので、飛行機の中とか圧迫がだめなんです。(寝ている時に)右肩を下にすると、圧迫されて痛くなり、逆に、左を下にするとひじが痛い。真っ直ぐ向いては、なかなかずっとは眠れないので、どちらかに向くたびに痛みを感じる」

 マイアミのシングルスでは、予選1回戦で敗れたクルム伊達だったが、ダブルスは、プリスコバと組んで本戦出場を果たした。

 第7シードのバボス/ムラデノビッチ組との1回戦では、10ポイントマッチタイブレークにまで勝負がもつれた。クルム伊達組が一度マッチポイントを握ったものの、結局、2-6、7-6、11-13で惜敗した。

「試合の中で痛みを感じることはなかった。勝負運がなかったことに尽きるかな」と振り返ったクルム伊達だが、試合後の会見では、右肩と左ひじをアイシングしている痛々しい姿であったにもかかわらず、その表情は暗くなかった。

 クルム伊達のランキングは、厳しい状況が続いている。シングルスのWTAランキングは122位(マイアミ大会時)だが、今回、昨年の30点をディフェンドできなかった。さらに、4月上旬には、昨年のWTAモンテレー大会ベスト4の110点をディフェンドしなければならないが、もしできないと、150位台まで落ちる可能性がある。

 そのため、マイアミ大会の後に帰国する予定を変更し、WTAチャールストン大会(アメリカ)の予選とWTAボゴタ大会(コロンビア)の本戦へ出場することにした。

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