過去7戦全敗。錦織圭がナダルに勝つための条件 (3ページ目)
その間、大躍進してきたのが、錦織圭だった。錦織は「勝てない相手はもういない」と語ったが、ナダルにはまだ一度も勝っていない。過去7度対戦して全敗である。
それでも、昨年の全豪オープン4回戦では、ストレートで敗れたとはいえ、6-7、5-7、6-7という接戦を演じて、錦織はナダル戦での確かな手応えをつかんだ。その後、5月に行なわれたマドリード・マスターズ決勝でも、6-2、4-2として、勝利まであと2ゲームに迫った。結局、そこから腰に痛みが出て逆転を許し、最終セットで途中棄権となってしまったが、クレーコートのマスターズ大会決勝という舞台でナダルを追い込んだこの一戦は、錦織に大きな自信を与えた。
ナダルのディフェンス力はツアー屈指だ。しかし、速いタイミングでボールをとらえて、相手の時間を奪う錦織のテニスには、そのディフェンス力を打ち破る力がある。さらに、多彩なテクニックを持つ錦織が、それを高い精度で発揮し続ければ、ナダルが得意とするクレーコート大会(全仏オープンは2010年から5連覇中)の頂点に立つことも夢ではない。
年が明け、ナダルが表舞台に帰ってきた。錦織にとって、8度目の挑戦の日が来るのは、そう遠くはないだろう。その際、錦織の真価が改めて問われることになる。
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