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2015年の錦織圭、グランドスラム初制覇の可能性を検証する (2ページ目)

  • 神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

「15年は、高い目標を持ってやることになる。GSでベスト4以上に入るのが目標になります」と意気込む錦織が、大きなケガをすることなく、自身のテニスを進化させることができるのなら、必ずGSの優勝戦線に絡んでくるだろう。

 1973年から始まった現行の世界ランキングで、世界1位になった選手はわずか25人。現在5位の錦織が1位になる可能性を話題にするのは時期尚早ではある。まずは、GSタイトルを取れるかどうかを見るべきであり、さらに言えば年間9大会あるマスターズ1000大会(GSに次ぐグレードの大会、以下MS大会)で優勝を狙うのが現実的だ。MS大会で初優勝できれば、GSの初制覇が近づく傾向にある。それは"ビッグ4"でも見られた。

 フェデラーは、02年MS・ハンブルク大会で初優勝した翌年に全英でGS初制覇。ジョコビッチは、07年MS・マイアミ大会で初優勝した翌年に全豪で初めてメジャーを制した。ナダルは、05年MS・モンテカルロ大会で初優勝した直後に、05年全仏でGS初優勝を成し遂げた。

 ただ、マリーは、08年MS・シンシナティ大会で初優勝したものの、GS初制覇は12年の全米まで待たねばならなかった。

 15年シーズンに、「MS大会で1回優勝したい」と語る錦織のMS大会での成績如何によって、彼のGS制覇の可能性が出てくるはずだ。

 錦織は、15年から使用するラケットを「STEAM95」から「BURN95」に変更した。錦織の成長と共に攻撃力が上がったため、ボールのスピン(回転力)に加えて、スピードがよりラケットに求められた。

「もう少しスピードが欲しかったのでリクエストしました。今、自分のテニスが変わってきていて、より攻撃的なプレースタイルになっている。その中で、もう少しポイントを早く終わらせたり、ウィナーの数を増やしたりできるようにしたい」

 14年シーズンが充実していただけに、このタイミングでラケットを変更することに少なからず驚きはあったが、錦織にとってはあくまでも先を見据えた決断だった。

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