2015.01.14

25歳の錦織圭が意識する「同世代のライバルたち」

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki  photo by AFLO

1月特集 2015年錦織圭の挑戦!(2)

 少し意外に思われるかもしれないが、錦織圭(25歳/世界ランキング5位)は案外、年齢を気にするタイプである。

「僕ももう、若くない」

 これは彼が、2011年ごろから頻繁に繰り返してきた言葉だ。そのころの錦織は21歳。

昨年12月29日の誕生日で25歳になった錦織圭「率直に、それほど若くないと感じています。テニスの世界では、若いというのは18歳や20歳くらいまでだと思うので」

 素直にそんな想いを述べると、彼はこうも続けていた。

「ラファエル・ナダル(スペイン/28歳/世界3位)はすごすぎですが(19歳でグランドスラム初優勝)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/27歳/世界1位)やアンディ・マリー(イギリス/27歳/世界6位)も、20歳くらいからトップ10に入っています。そういうことを考えたら、自分も年齢を言い訳にはできないところに来ている。彼らの辿ってきた道を自分と照らし合わせると、そう感じます」

 錦織というアスリートは、極めて現実主義者だ。壮大な目標を掲げることで自分を大きく見せはしないし、論拠なき大言を発して周囲をあおるタイプでもない。ただ、日ごろ何気なく発せられる言葉にこそ、彼の驚くまでに峻烈な上昇志向が潜んでいることがある。ジョコビッチやマリー、ナダルらの足跡を自身のそれと重ねることは、彼らのいる場所を自ずと目指していたということだ。

 それから数年経った今、かつて遠くに背中を見ていた3選手に、ランキング的には限りなく肉薄した。マリーに至っては抜いてもいる。また、ナダル以外の2選手からは、すでに勝利ももぎ取った。しかし、テニスの世界では、ひとつの勝利で地位が逆転するわけではない。ジョコビッチには昨年9月の全米オープンで勝ったが、以降2度の対戦では敗れている。11月のツアーファイナルズで初勝利を奪ったマリーにしても、次は目の色を変えて来るだろう。

 錦織は昨季すべての公式戦を終えた時点で、ナダルとジョコビッチ、そしてロジャー・フェデラー(スイス/33歳/世界2位)を加えた上位3選手に「今後どう勝っていくか」を課題として掲げた。3歳年長のナダル、そして2歳年長のジョコビッチとマリーについては、「年齢も近いので、自分がテニスをやっている間は常にいる選手だろう」とも覚悟している。

 距離は、明らかに縮まった。月日の流れは、若く追う者の味方である。それでも依然、過去7年にわたりグランドスラムのタイトルを独占してきた『ビッグ4』は、錦織の前に立ちはだかる壁であり、捕えるべき標的だ。