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【テニス】「一番いい年だった」。
錦織圭が見据える頂点への道のり (2ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

 このように振り返った錦織は、2年連続してトップ20でシーズンを終えることとなった。狙っていたトップ10入りは果たせなかったが、6月17日付けのランキングでは、日本男子最高となる11位まで登りつめた。また、5月のマスターズ1000・マドリード大会3回戦で、当時ランキング2位のロジャー・フェデラーに初勝利したことは特筆すべきことだった。さらに、ローランギャロス(全仏)では、自身初のベスト16進出。日本男子としては、1938年の中野文照以来の快挙を成し遂げた。

「(13年シーズンは)一番いい年と言えると思います。最終ランキングは、去年と同じぐらいですけど、最高ランキングは11位までいきました。強い相手にも勝てている。力強いプレイになってきていると思う。最低ラインにはいっていると思うけど、来年はグランドスラムでベスト8より上を狙いたい」

 今シーズンの最終成績は、36勝19敗で、そのうちマスターズでは13勝8敗。さらにATPメンフィス大会で、日本男子最多となるワールドツアー3勝目を挙げた。

「どの大会でも上に行くことは必要になってくる。それができるようになれば、トップ10に入れると思う。マスターズとグランドスラムでは、もっと上に行けるようにしたいですね」

 シーズンをとおして、錦織はケガの予防のため試合中に右足首にサポーターを装着。左ひざにもサポーターを付け、さらにテーピングをするなどして、10カ月に及ぶ長いシーズンを乗り切った。

「痛みがないわけではない。どの選手にもあることだと思う。ただ、サポーターが取れるようになれば一番いいと思う」

 戦線を離脱するような大きなケガをすることなくシーズンを戦い切ったとはいえ、腰も含めてたびたび小さな故障に悩まされた場面はあった。そのため、引き続きフィジカルの強化は錦織の課題のひとつだろう。錦織自身、「(シーズンの間にも)オフにしっかりトレーニングをして、力強く1年を戦えるようにしたい」と語っている。

 13年シーズンでの錦織対トップ10 プレイヤーの対戦成績は、2勝7敗。再びランキングを上昇させるためには、自分より上位の選手に勝たなくてはいけない。

「もう少しミスを減らして、安定したプレイができれば、強い相手に勝てるようになると思うので、パワーをつけて臨みたい」

 来季は24歳で迎えるプロ7年目のシーズン。経験を積み重ねた錦織は、自らが掲げる大いなる目標達成のために、これからは1年1年が勝負になってくる。

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