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高校ラグビー 日本代表の卵たちが「聖地」花園に集結 無敗のキャプテン、平尾誠二2世...など注目の4人 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【東の横綱を統率する165cmの司令塔】

 これまでの花園を振り返ると、2年前は準々決勝で京都成章(京都)、昨年は準決勝で桐蔭学園(神奈川)に敗れた。自らが考案した「結実」というスローガンは、努力した先に日本一を達成したいという意味を込めている。

「花園では桐蔭学園に勝って優勝したいですね!」

 名取は昨季のリベンジに燃えている。

 その大阪桐蔭のライバルと目されている「東の横綱」桐蔭学園も、もちろんAシードだ。今大会では花園連覇がかかっている。

 春の選抜大会では大阪桐蔭に準決勝で敗れたが、夏の7人制ラグビー全国大会では5年ぶり2度目の優勝に輝いた。そして今冬の神奈川県予選決勝では、選抜ベスト8の東海大相模を33-18で下して2大会連続22回目の出場を決めている。

 チームを率いるのは、これまで4度花園で日本一に導いている藤原秀之監督。その名将が「春から成長した」と称えたのが身長165cmのSH後藤快斗(かいと/3年)だ。

 桐蔭学園と言えば伝統的に「展開ラグビー」を強みとしており、FWとBKのつなぎ役であるSHが要のポジション。そのため元日本代表の後藤翔太やフランス・トゥールーズでプレーする齋藤直人、浦安D-Rocksに所属する小西泰聖など、能力の高い司令塔を輩出してきた。

 熊本県出身の後藤は小学校から楕円球を握り、高校進学時は「東福岡を倒して日本一になりたい。日本代表の齋藤直人選手などOBにすばらしいSHが多い」という理由で、親元を離れて神奈川県の桐蔭学園に進学した。

 後藤たちの代が掲げたスローガンは「律」。頂点を目指し、自らを律し、チームを律すという意味を込めた。夏の練習試合では今大会Bシードの東福岡(福岡)に大敗したものの、リーダーのひとりに任された後藤はチームを「律」して牽引する。

 SO丹羽雄丸(3年)とは高校1年からハーフ団を組んできた仲で息もぴったり。後藤は「プレー中の余裕と幅が増えた」と意気込む。

 桐蔭学園のターゲットはもちろん、選抜大会とサニックスワールドユースで敗れた大阪桐蔭に勝っての連覇だ。後藤は「連覇はプレッシャーというより、先輩たちがくれた僕たちへのチャンス。自分たちの代で(日本一を)成し遂げたい」と語気を強めた。

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