早稲田大キャプテン「セットプレーのところで今日も崩れてしまった...」世代トップの大学ラガーマン・伊藤大祐が振り返る4年間 (3ページ目)
【卒業後はプロ選手としてリーグワンでプレー予定】
伊藤の大学選手権は、準優勝が2回、ベスト8が2回と、一度も頂点に立てずに終わった。早稲田大での4年間を振り返り、伊藤はこう語った。
「桐蔭学園の時はFWが強くてやりやすかったが、(早稲田大では)劣勢のなかで自分をどう出すかなど成長できた。早稲田でキャプテンを経験させてもらい、責任のなかでプレーができたことは今後に活きる」
キャプテンとして、後輩にどんなことが残せたかと聞いた。
「最後まであきらめない姿勢は、今日の試合ではすべて出せなかったかもしれないけど、1年間を通じて見せられたのかな。僕を勝たせたいと思ってくれていた(高校の後輩でもある3年のHO佐藤)健次や矢崎(由高/1年)は『ありがとうございます』と言ってくれた。僕も彼らともっとやりたかった......。彼らはもっとできると思うので、期待しています」
早稲田大では10番だけでなく、12番や13番、そして15番と、さまざまなポジションでプレーしてきた。その経験は今後に向けて、大きな糧(かて)となったはずだ。かねてからプロ志望だった伊藤は卒業後、社員選手ではなくラグビーに専念する予定だ。
「みんなとラグビーができたことが楽しかった。次のステージに向けてまだまだ全体的に足りていないことがたくさんありますが、大学でいい経験ができたので1月から(リーグワンで)がんばります」と前を向いた。
伊藤の早稲田大での4年間は終わりを告げた。「大田尾監督、4年生、そして(練習場である)上井草に残してきたメンバーと、ただただ、もっとラグビーがしたかった......」という言葉を残し、暗くなったヨドコウ桜スタジアムをあとにした。
著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。
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