「ラグビー黄金世代」注目の大学生12人 リーチ2世、松島幸太朗2世など逸材多数 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【ワイルドナイツの練習場が遊び場だった】

 今年7月には高校日本代表からひとりだけ飛び級でU20日本代表に選ばれ、U20世代の世界大会に出場。5試合すべてに出場し、海外ラグビーサイトで「ベスト15」に選出される活躍を見せた。

「(U20の世界大会は)プロ選手が多くて一気にレベルが上がった。通用するところもあって、高いレベルのフィジカルやスピードを経験できたことが大きかった。大学選手権では『荒ぶる(早稲田大が優勝時のみ歌う第二部歌)』を歌えるように成長していきたい」

 桐蔭学園の3つ上の先輩である早稲田大のキャプテンSO/CTB伊藤大祐(4年)は、矢崎にとって憧れの存在。伊藤と大学で同じグラウンドに立つことができるのは今季かぎり。「もう一緒にプレーできる時間は半年もない。練習のなかで吸収していきたい」と語気を強めた。

 矢崎は来年もU20日本代表として世界で経験を積むことができる。今後の活躍次第では日本代表への招集、そして2027年ワールドカップの可能性も見えてくる。「まだ(W杯に)出たいとかではない。ひとつひとつクリアして、階段を登っていきたい」と語るとおり、まずは早稲田大「アカクロ」のエースへと成長してほしい。

 一方、2023年ワールドカップ日本代表メンバーに卒業生を7人も送り込んだ王者・帝京大にも、注目すべきルーキーがいる。春季大会の開幕戦でいきなりデビュー&トライを挙げて、対抗戦でも活躍しているWTB/FB青柳潤之介(あおやぎ・じゅんのすけ)だ。

 父はかつて三洋電機でプレーしたFLで、のちに大東文化大ラグビー部の監督を務め、現在は埼玉パナソニックワイルドナイツでFWコーチを務める青柳勝彦氏。息子の潤之介は小さい頃、群馬県太田市にあるワイルドナイツの練習場を庭のようにして育った。憧れはワイルドナイツのWTB竹山晃暉だ。

 高校は自宅から通える強豪校・國學院栃木に進学。明治大に進んだSO伊藤龍之介とは「ノスケ」コンビと注目され、2年時は栃木県勢初となる花園決勝進出の大きな原動力となった。

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