「ラグビー黄金世代」注目の大学生12人 リーチ2世、松島幸太朗2世など逸材多数 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【リーチも期待する京都産業大の新世代LO】

 対抗戦で巻き返しを図りたい慶應義塾大では、桐蔭学園出身のCTB/WTB/FB松田怜大(まつだ・りょうた)が面白い存在だ。

 対する関西では、リーグ3連覇を目指す京都産業大のLO石橋チューカに注目したい。今季すでに出場時間を増やして気を吐いている。昨季は報徳学園の高校2冠に貢献して「リーチ マイケル2世」とも呼ばれた石橋。アメリカ・ニューヨークでナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれ、中学時代は相撲部でも足腰を鍛えた。

 高校入学時は190cmの身長に対し、体重は70kgにも満たなかったという。それを高校3年時には90kgまで増やし、「関西屈指のNo.8」にまで成長した。大学ではLOとしてプレーするが、将来はFLへの転向も視野に入れている。憧れは、自身と同じくナイジェリアにルーツを持つイングランド代表FLマロ・イトジェだ。

「スピードと運動量が武器なので、そこだけは負けないようにしたい。『リーチ2世』と言っていただいていますが、(リーチを)見て学んで、それ以上のプレーをして日本代表になりたい!」

 リーチからは「線が細いので、体つきや背中(の筋肉)を大きくして」とのアドバイスを受けたという。大学で最もトレーニングが厳しいと言われる京都産業大で体重を110kgにすることを目標としつつ、さらなる高みを目指す。

 今季の関西リーグには、ほかにも楽しみな1年生がいる。トンガ出身で青森山田から入部した天理大のFBサイア・フィリモネ、立命館慶祥出身の立命館大WTB三浦遼太郎(みうら・りょうたろう)が早くも定位置を確保し、チームに欠かせない存在となっている。

 日本ラグビーには何年かの周期で好選手の固まる世代がやってくる。今季の大学1年生たちが近い将来、「大畑世代(1975年度生まれ)」や「リーチ・田村世代(1988年度生まれ)」のように、日本代表を支える世代となる可能性は十二分にあるだろう。

プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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