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元オールブラックスも絶賛するラグビー日本代表の"ヤングジャイアント"。身長202cm、20歳のディアンズが世界に挑む (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

高卒でプロ入りを選んだ理由

 全国高校ラグビー大会「花園」には2年連続で出場し、2年時、3年時にはベスト8に進出。もちろん、身長は全選手のなかで一番高かった。

 日本代表経験のある相亮太監督のもと、1〜2年時はLO、3年時はスピードを活かしてFL(フランカー)、No.8(ナンバーエイト)でもプレーした。身長を活かしたプレーだけでなく、ボールキャリーや低いタックルの習得も研鑽を積んだ。

 当然、ディアンズの進路は大きな耳目を集めた。

 日本で開催された2019年ワールドカップの開幕前、流通経済大柏に近い柏の葉でオールブラックスが事前キャンプを行なった。その時、オールブラックス関係者が駅の近くで偶然ディアンズを見かけ、たちまちニュージーランドのスーパーラグビーチームでも知られる存在となったという。

 日本の強豪大学でプレーするのか、大学に進学せずトップリーグチームに進むのか、はたまたニュージーランドに戻ってスーパーラグビーのアカデミーに入るのか......。さまざまな噂が飛び合うなか、ディアンズが選んだ道は「日本でプロ選手になって、東芝に入団すること」だった。

 ブレイブルーパスには、同じクライストチャーチ出身で日本代表でも活躍するモデルケースがいた。2014年から2021年まで日本代表のキャプテンを務めたリーチ マイケルである。また、流通経済大柏の先輩であり、元日本代表の故・湯原祐希FWコーチがいることも大きかった。

「大学だとレベルが違うし、ニュージーランドに帰るとまたゼロから始めないといけない。自分が一番成長できる場所だと思って東芝を選んだ。(リーチのように)日本のためにプレーしたいと思った」(ディアンズ)

 19歳の青年の決断は正しかった。「最初は日本代表で試合に出られると思わなかったが、5分だけだったけどテストマッチに出場して、ちょっと自信をつけた」ディアンズは、今季から始まった「リーグワン」で躍動する。

 プレーオフも含めると、17試合中15試合で先発。高卒ルーキーながら中核を担い、チームを4位まで押し上げる原動力となった。ラインアウトやスクラムといったセットプレーだけでなく、ボールキャリーやタックルなどフィールドプレーでも存在感を示した。

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