ラグビー日本代表の新主将は負けず嫌い。リーチから引き継いだニッポン魂 (2ページ目)
ラピースのフォローには、CTB(センター)中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)が副キャプテンとして支えるという。
ラグビーのキャプテンは、2003年W杯&2007年W杯でNo.8箕内拓郎が務めたように、フィジカルバトルの多いエリアでプレーし、レフェリーと英語でコミュニケーションを取れる選手がベターだ。リーチの後釜を選ぶ際、2019年W杯のアイルランド戦とサモア戦でゲームキャプテンを務めるなど国際経験豊富で、英語も堪能なラピースを選んだのは自然な流れだろう。
南アフリカ出身のラピースはラグビーを始めたのは7歳の時。その後、メキメキと頭角を現し、スーパーラグビーのチーターズやブルズでプレーした。2013年秋には憧れの「スプリングボクス」南アフリカ代表に選出。しかし、試合に出場することは叶わなかった。
もし、1試合でも南アフリカ代表として出場していれば、のちに桜のジャージーでプレーすることはなかっただろう。2015年7月、キヤノンと対戦するためにブルズの一員として来日した際、そこでのパフォーマンスが高く評価されて、2016年からクボタでプレーすることになる。
そして2018年、ジョセフHCに「日本代表になれる可能性がある」と誘われ、日本のスーパーラグビーチームのサンウルブズの一員となった。そのサンウルブズのメンバーで集まった自衛隊合宿の時、指揮官はラピースの人間性に惚れたという。
「軍隊的なプレッシャーのなか、彼の個性やメンタルが見えてきました。リーダーシップ気質は持っていないと思っていたが、それを発揮してくれた」
2019年6月、日本代表になるための条件である3年居住をクリアし、7月のフィジー戦で日本代表初キャップを獲得。同時にいきなりゲームキャプテンも務めた。W杯本番では、開幕戦のロシア戦でトライを挙げるなど勝利に貢献。5試合すべてに先発し、ベスト8進出の立役者のひとりとなった。
ラピースは敬虔なクリスチャンで、サインの横や試合時のテーピングには旧約聖書『詩篇23篇』に由来する「PS23」という文字を書くほど。メディアやファンにはいつもチャーミングな笑顔で、丁寧かつ優しく接する。
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