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稲垣啓太「満足したら、あっさり引退します」。
ブレずに豪快!侠気語録 (5ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji


 2016年から日本代表の指揮官にジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が就任しても、稲垣のスタンスはブレない。

「今までと変わりない。自分のプレースタイルを変える必要はない」

 さらりと、そう言ってのけた。

 そして迎えた2019年W杯。本番前や大会期間中に多くのコーチや選手を取材していると、彼らから「ディテール」という言葉を何度も聞いた。

 この言葉を最初に聞いたのも、稲垣からだった。それは2018年11月、中立地でトンガに快勝し、敵地でフランス相手に引き分け、W杯への手応えを掴んだ遠征後のこと。

「能力的にも、身体的にも、メンタル的にも、いい感じで仕上がってきたと思います。短い時間で、パスの精度、走り込むタイミング、ボールの出し方、スクラム......どれだけディテールを突き詰めていけるかがカギになってくる」

 日本代表チームに「ディテール」という意識を植え付けた稲垣の功績も見逃せない。

 ちなみに試合前、稲垣は静かな曲を聴いているという。ロックなど盛り上がる曲を聴くラグビー選手が多いなか、ちょっと意外だった。

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