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明治大、前半0−31でパニック。
今季無敗の王者に何が起きたのか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji


 後半3分、明治大はラインアウトからすばらしい展開を見せ、この試合最初のトライを副将WTB山村知也(4年)が挙げる。

 後半10分にトライを奪われるも、その後は明治大のペースとなり、後半16分にLO箸本龍雅(3年)、後半21分にSO山沢京平(3年)、後半29分に山崎洋之(4年)らがトライを重ね、ついには28−38と10点差まで迫った。

 しかし後半34分、早稲田大にスクラムから狭いサイドを突かれてトライを許し、万事休す。後半40分にFB(フルバック)雲山弘貴(2年)がトライを返して粘ったが、最後は35−45でノーサイド。奇跡の逆転劇は叶わなかった。

「早稲田大学さんのアタック、ディフェンスのすべてがすばらしかった。明治大は意地を見せたと思いますが、前半0−31がこの結果につながった」(田中監督)

 大学選手権の決勝で、明治大は早稲田大に43シーズンぶりに敗れてしまった。

 それでも武井主将は、「後半、苦しい場面でもアタックし続けたこと、身体を張り続けたこと、そういうあきらめない姿勢を後輩につなげられた」と胸を張った。

 そして後輩・3年生の箸本は、「いい形で先輩を送り出してあげたかった。叶わずに残念です。(前半0−31は)残る選手にはいい教訓になる。来シーズンは早稲田大に勝って優勝したい」と前を向いた。

 明治大は今シーズン、東日本大学生セブンズ、春季大会Bグループ、対抗戦、すべて全勝で優勝を果たしてきた。しかし最後、一番大事な試合であと一歩が届かなかった。この悔しさを糧に、明治大は再び挑戦者となって14度目の大学王者を目指す。

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