2020.01.12

明治大、前半0−31でパニック。
今季無敗の王者に何が起きたのか

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 試合後半、明治大は「自分たちのラグビー」をようやく発揮し5トライを挙げて、満員となった57,345人の観客を大いに沸かせた。しかし、前半の31失点があまりにも大きかった......。

 1月11日、新しくなった国立競技場で、ラグビーの試合としては初めてとなる大学選手権の決勝が行なわれた。

 対戦カードは、連覇を狙う明治大(関東大学対抗戦1位)と、11シーズンぶりの優勝を目指す早稲田大(同2位)。両者が大学選手権の決勝で対戦するのは、1996年度以来。実に23シーズンぶり、9度目の「早明戦」となった。

前半の明治大は早稲田大の勢いに押されてしまった 下馬評は、紫紺のジャージーの明治大が有利。ファンの数も、明治大のほうが多いように感じた。

 それもそのはず。昨年度の大学選手権・準決勝(31−27)、春の「早明戦」(29−14)、そして昨年12月に25年ぶりの全勝対決となった対抗戦(36−7)でも明治大が快勝しており、現在3連勝中だからだ。

 3年連続で決勝進出となった明治大は、キャプテンのHO(フッカー)武井日向(4年)を中心に8人のFWのうち5人が4年生。スクラムやラインアウトといったFWのセットプレーでは、明治大が優勢だった。また、先発15人中10人が昨年度の決勝に出場しており、大舞台の経験値も高かった。

 試合前、武井主将は「連覇ではなく、自分たちの代で優勝したい」という言葉を繰り返し、田中澄憲監督はゲームプランとして、「ボールキャリーがしっかり前に出ること。粘り強くディフェンスすること。ルーズボールなどのリアクションを大事にすること」の3つを掲げていた。

 裏を返せば、1年間やってきたこと、基本プレーを貫けば勝てる......という自信の表れでもあった。

 とはいっても、選手たちはまだ21歳、22歳の大学生。どこかに「今シーズン負けなし」というメンタル的な油断や隙があったのかもしれない。また、お披露目となった新国立競技場での対戦に、プレッシャーを感じなかったといえば嘘になるだろう。