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100周年の早大が防御と展開で明大撃破。
次なる目標は「荒ぶる」だ (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 谷本結利●写真 photo Tanimoto Yuuri

 父とは違う道を歩んだ"アカクロ"ジャージの15番がいきなり、光り輝いた。前半3分、ラインアウトから連続攻撃を仕掛け、ラックから左にボールが出た。中野から「走れ!」と声をかけられていた河瀬がタイミングよく中野から長いパスをもらう。ディフェンスの空いているスペースをめがけて駆け込んだ。

 50メートル6秒0。父譲りのラグビーセンスを持つ河瀬が相手ふたりをひきずる形でインゴールに飛び込んだ。価値ある先制トライ。河瀬は初々しい笑顔で思い出す。

「最初、レフリーの笛が(歓声で)聞こえなくて...。トライなのかなって。みんなが寄ってきて喜んでくれたので、"トライやん"って。トライをとるのが僕の仕事ですから、それは、うれしかったです」

 相良監督は試合後、笑いながら漏らした。

「いや~、(河瀬は)持ってるな~って思いました」

 スタンドから観戦していた父はこうだ。

「みんながお膳立てしてくれたトライですよ。まだ1年生だけど、一生懸命にラグビーをやっているのはありがたい」

そして、こう続けた。「昔からですが、早明戦は別もんですね。(早大の勝因?)早明戦にかける思いがより強かったんじゃないの。100周年の思いとかもあるでしょ」

 もちろん、学生はその年、その年が勝負である。1年生の河瀬はこう、本音を漏らした。

「100周年? 強く意識しているかと問われると、そうでもないです」

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