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100周年の早大が防御と展開で明大撃破。
次なる目標は「荒ぶる」だ (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 谷本結利●写真 photo Tanimoto Yuuri

 試合はその後、早明戦らしい展開となった。明大が強力FWの圧力を生かし、「タテ」への攻撃を繰り返す。ゲームテーマに「ディフェンスで勝つ」を掲げていた早大が前に出るタックルで相手のチャンスの芽をつんでいく。プライドがぶつかる。緊迫感が漂う。

 防御は春からの意識づけの成果だ。「相手のパスが浮いている間に前に出よう」(相良監督)。加えて、パックして足をかく。倒れたらすぐ立ち上がる。立つ人数を増やす。タックル、タックル、またタックル。この日は、ディフェンスを楽しもうと言い合っていた。

 その上で、チャンスと見るや、一気に展開勝負に持ち込む。スクラムハーフ(SH)齋藤直人(3年)、スタンドオフ(SO)岸岡智樹(3年)のハーフ団が、浅めのパス、深めのパス、長短のパスを投げ分け、明大をほんろうした。

 勝負のアヤとなったのが、後半10分過ぎの自陣ゴール前15mあたりの明大ボールのスクラムだった。4点差を追う明大はペナルティーキック(PK)を得たあと、あえてスクラムを選択した。自慢のFWで早大をつぶしにきた。

 鶴川はこう述懐する。

「(スクラム選択に)少し頭に来ました。前3人で相手の下をとろうと意思統一しました。ヒットで、ボールインのあと、低くひと押ししました」

 "相手の下"とは、相手より低くとの意味である。それまで劣勢だったスクラムだが、早大はこの時、ヒットで組み勝った。押そうとした明大の右PRがたまらず、右ひざを落とす。コラプシング(故意に崩す行為)の反則をもらった。窮地を脱した。

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