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フランスの仲間やファンに愛された五郎丸。
この挑戦が役立つ時がくる (4ページ目)

  • 小川由紀子●文 text by Ogawa Yukiko
  • photo by Aflo



「よく知っているだけに彼についてはあまり話せない」とあまり口を開かないダルマゾコーチの意見も会長のそれに共鳴している。

「ここでのゴロウマルは、本物のゴロウマルではなかった。彼は生粋のリーダー気質だが、ここでの彼はリーダーではない。彼は自分が必要とされている状況で実力を出せるタイプだ。

 このクラブは、入った直後から最高のパフォーマンスを期待される場所。彼にとっては、まずはフランスのクラブに順応する期間を経て、それからより大きなクラブに挑戦する、というのが理想的だったと思うが、まず言葉の問題があり、スターしかいないようなクラブに来て、すぐに最高のパフォーマンスを発揮することを求められるのだから厳しくて当然だ」

 五郎丸の場合、ポジションがフルバックに限られることも出場を難しくした。控えメンバーにはポリバレントな選手が好ましいため、五郎丸をメンバーに選出する場合は先発しかない。おのずと11番から15番までこなすミッチェルやジェームズ・オコナーらが優先される。

 また、TOP14でフルバックに求められるスピードに欠けていたのは否めない。ダルマゾコーチもそれを認める。

「スピードに関しては、もともとゴロウマルはスーパーフィニッシャーではない。足元のプレーに優れた選手だ」

 ならばなおさら、彼の一番の強みであるキッカーとしての実力を試す機会がなかったのは残念だ。

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