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五郎丸歩のRCトゥーロン移籍は
失敗だったのか? 現地での本当の評価  (4ページ目)

  • 小川由紀子●文・写真 text & photo by Ogawa Yukiko

 ところが、この試合後まもなくドミンゲスHCが辞任。

 そもそもブジェラル会長は、今季ドミンゲスをヘッドコーチに昇格させたものの"本命"(来季から指揮をとるフランス人コーチ、ファビアン・ガルティエ)を手に入れるまでの「つなぎ役」と考えており、ドミンゲス体制の船出には最初から荒波が立っていた。

 そんな事態を見越してイングランドからバックスコーチとして呼んでいた、かつてサラセンやバースを率いたイギリス人のマイク・フォードをヘッドコーチに据えた新体制がスタートすると、今度はこの状況に不満を感じた古参のコーチ2人が相次いで離職。現場にはフォードと、やはり夏から参入した元日本代表スクラムコーチのマーク・ダルマゾという、今季から新たにトゥーロンに加わった指導者だけが残された。

 その頃、秋のテストマッチの最中でウェールズ代表のハーフペニーが不在というタイミングに、五郎丸にいよいよデビューのチャンスが巡ってきた。11月6日、第10節のリヨン戦、アウェーの試合だったが、五郎丸は控えメンバーに入ると、背番号「20」をつけて後半の25分間プレーした。

 フォードHCは「ボールをフィールドから出すべき場面や前へ運ぶべき場面できちんとそれができていた。よいデビュー戦だったと思う。今日の彼の出来には満足している」と初陣を評価し、「いずれキッカーも任せるつもりだ」と期待を込めた。

レキップ紙のラグビー担当アーノルド・レケナ記者も「今日は出場時間も短いので判断材料には乏しいが、随所で的確な処置ができていた。なにより一度もボールを失っていない。今後どう自分のプレーを発揮していくか楽しみにしている」と前向きに感想を話した。

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