ラグビー日本代表HCジェイミー・ジョセフ。笑顔の裏に「強い自負心」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 そしてもうひとつ、ジョセフHCが日本代表のヘッドコーチに選ばれた理由として、世界のラグビー界やさまざまなコーチとの人脈を持っていることも挙げられる。ワールドカップにはニュージーランド代表と日本代表で出場し、指導者になったあともマオリ・オールブラックスを率いてイングランド代表やアイルランド代表に勝利し、2011年からはハイランダーズを6年間率いてきた実績がある。前出の田中は、「人徳があり、スマートで、いろんなスタッフを連れてくることができる。日本代表にとってはプラスにしかならない」と断言する。

「プロのコーチとして12~13年のキャリアがありますが、そのときに培った知識を日本で活かしていきたい」と、ジョセフHCは言う。ただ、彼のコーチングキャリアは、決して順風満帆だったわけではない。2013年のスーパーラグビーでは、優勝候補の一角と見られていたハイランダーズを14位という結果で終えている(それでもクビにならなかったのは彼の人徳であろう)。

 しかし翌年、三洋電機(現パナソニック)で活躍したトニー・ブラウンをアシスタントコーチに迎えると、エディー・ジャパン時代に日本代表のスクラムコーチだったマルク・ダルマゾもスポットコーチとして招聘。さらに、2014年の秋には日本代表やパナソニックの合宿も視察し、研鑽を積んだ。その結果が、2015年のスーパーラグビー初優勝に結びついたことは間違いない。

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