2016.01.17

【ラグビー】パナソニック決勝へ。堀江翔太が語る「3連覇への手応え」

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 歓喜はない。安堵感だけである。試合が終わると、グラウンド中央に青色ジャージの円陣ができた。パナソニックのキャプテン、フッカー(HO)堀江翔太が声をかける。

「やっと、ここまでこれた。いつも通り、1週間しっかりと準備しよう。準備で結果が決まるぞ」

3連覇を目指すパナソニックを牽引するキャプテン・堀江翔太

 16日の秩父宮ラグビー場。トップリーグの年間王者を決める決勝トーナメントの準決勝。王者パナソニックは円熟した強さを発揮し、神戸製鋼を42-10で下した。

 横綱相撲である。ゴールライン際まで押し込まれても、ちっとも慌てない。前半、ほとんど自陣で戦いながら、トライは許さない。堀江は静かにこう言ってのけるのだ。

「我慢を続けて、(相手を)止める自信が一人ひとりにありました」

 その裏付けは、個々の高いスキル、フィジカル、判断力、コミュニケーション、経験、そして1週間の準備にあった。特に神鋼が得意とするラインアウトモール対策はみっちりやった。序盤、その効果が出た。

 ラインアウトモールを防ぐためには、ラインアウトで相手にボールを取らせないのが一番である。相手のHOは負傷の木津武士に代わって出場した2年目の長崎健太郎だった。パナソニックは「スローイングの精度が低い」とみた。

 前半4分の自陣ゴール前左の神鋼ボールのラインアウトだった。長崎の投入に合わせて、ラインアウトの前(2番目あたり)のフランカー(FL)西原忠佑が跳んで、相手ボールを邪魔した。モールは組ませない。