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【ラグビーW杯】キーマン五郎丸歩「サモア戦は『組織』で勝負します」 (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤 龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 サモアの選手個々の破壊力は凄まじく、身体能力も高い。巨漢の相手がスピードに乗ると手がつけられなくなる。日本が守勢に回ると、タックルを受けながらでもボールをつないでくる。まずはこの勢いを止める。南ア戦で見せたような相手の太ももに入る"チョップ・タックル"と前に早く出るラインディフェンスがカギを握る。

 サモアのキーマンは、トップリーグのサントリーでお馴染みのスタンドオフ(SO)トゥシ・ピシと、今季からリコーに入団するFBティム・ナナイ・ウィリアムズである。特に「アンストラクチャー(崩れた局面)」で自由にさせるとピンチが広がる。怖いのはキックからのカウンター、ターンオーバーからの逆襲......。「アンストラクチャーからのアタックは彼らの得意なところ。その辺は警戒すべきですね」と五郎丸。

 すなわち、蹴り出す時はきっちりタッチを割る。パントキックには複数で"網"となってチェイスし、フォローする。五郎丸らの戦略的なキックがより重要となるだろう。「相手の(ゴール前)5メートルまでいけば、(ラインアウトから)トライは獲れるので強気で攻めるしかない」と意気込む。

 チーム練習では、このサモアの2人のキーマンの名前を叫びながら、マークを意識した。ピシは精神的に脆いところがある。名前を呼ぶことは、相手へのプレッシャーになるし、日本チームの意思統一を促すことになる。
 
 月曜日(9月28日)の練習ではエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)のカミナリが落ちたそうだ。「気持ちを切り替えろ」「サモア戦に集中しろ」と。理不尽な怒り方にカチンときたらしいが、これでスイッチが入ったと副将の五郎丸は説明する。

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