【ラグビーW杯】日本、歴史的な2勝目。「勝因は規律とハードワーク」

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 もはや日本の強さは本物である。ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会1次リーグ。B組の日本代表は南アフリカ戦の歴史的勝利だけでなく、サモアにも26-5で圧勝し、大会史上初の通算2勝目(1敗)で決勝トーナメント進出に望みをつないだ。

前半終了直前、山田章仁のダイビング トライ。試合の流れを決定づけた前半終了直前、山田章仁のダイビング トライ。試合の流れを決定づけた

 ひとつのW杯で2勝以上挙げたチームは過去、前回王者のニュージーランドほか豪州、南アフリカ、欧州6カ国・協会含めて、14カ国・協会しかいない。日本のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)はこう漏らして、胸を張った。

「日本はシリアスなラグビーができるようになった。日本は24年前に1勝しただけだった。もうその2倍。歴史は塗り替えた」

 3日の英国ミルトンキーンズ。スタジアムは日本の応援が大勢を占めた。日本がスクラムを組むたび、「ニッポンコール」が湧き上がる。特にボルテージが上がったのは、前半24分だった。

 相手チームはシンビン(10分間の一時的退場)で2人少ない。左中間のゴール前でPKをもらった日本は迷うことなくスクラムを選択し、8人が結束して7人FWのサモアをぐいと押し込んだ。135キロの相手3番が落とそうとしたが、1番の左プロップの稲垣啓太が踏ん張り、固まりになって前に出る。

 相手が崩れ、レフリーは認定トライを宣告した。フッカー堀江翔太は「イメージでは絶対、1つは(スクラムトライを)取ろうと思っていました」と言う。プロップ畠山健介も「最初のスクラムを組んだ段階で、いいスクラムが組めるという手応えがありました」と言葉に自信をのぞかせた。

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