2015.10.07

【ラグビーW杯】スクラムの進化こそが、日本の強さの源である

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤 龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会で、歴史的な2勝を挙げた日本代表だが、その原動力は何といってもスクラムである。ワールドクラスと評価されるフッカー堀江翔太(パナソニック)は「4年前とは全然、違う」と自信をみなぎらせる。

先日のサモア戦でも大活躍だった堀江翔太選手。スクラムでも圧倒した

 4年前のW杯ニュージーランド大会(1分け3敗)ではスクラムで負けた。堀江は屈辱を胸に秘め、世界最強リーグの「スーパーラグビー」に挑戦した。今年は首の神経系の手術のためにスーパーラグビー出場を断念し、国内でのリハビリを経て、W杯への準備を積んできた。

 スクラムでの『ジャパン・ウェイ(日本流)』は低さと8人の結束、足の運びである。低い姿勢をとるため、日本選手はフィジカルを強化し、時には元総合格闘家の高阪剛氏から粘り強い姿勢作りの指導を受けた。また、スクラムコーチであるマルク・ダルマゾからは、8人の力を結集させるため、理不尽とも思えるほどのハードワークを通して、それぞれの足の置く位置・動かし方、バインドの位置、ロックやフランカーがプロップの尻を押す角度などを突き詰めてきた。

 スクラムの進化を問われると、堀江は「一番は対応力が上がったこと」と言った。

「僕のスクラムの考えでは、試合ごと、スクラムごとに『形』はどんどん変わっていくんです。だから、特に1番(左プロップ)、3番(右プロップ)としっかりコミュニケーションをとって、相手に対応していく。そこが、すごく成長しているところです」

 例えば、快勝したサモア戦(3日・26-5で勝利)。序盤の1本目、2本目のスクラムで堀江は1番の稲垣啓太(パナソニック)、3番の畠山健介(サントリー)に「どうだ?」と組んだ感触を聞いている。両プロップからは「イケる」と返ってきた。