【ラグビーW杯】スクラムの進化こそが、日本の強さの源である (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤 龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 このW杯、3試合を合わせると、スクラムは全部で37回、組んでいる。マイボールが21回、相手ボールは16回。特筆すべきはマイボールの確保率が「100%」ということである。スコットランド戦(9月23日・10-45で敗戦)の序盤にとられた反則は相手ボールの時だった。この数字は安定したスクラムがジャパン・ウェイの『アタッキング・ラグビー』の基点となっていることを証明している。

 さらに前回W杯との違いは、スクラムの際、レフリーともコミュニケーションを図り、特に南ア戦、サモア戦ではレフリーを味方にした点である。

 そして、日本チームはよく、ビデオで対戦相手、自分たちのプレーを研究するようになった。スクラムもしかり、である。しっかり準備をし、試合ではスクラムごとに対応していく。その“引き出し”が増えたと堀江は言葉を足す。

「4年前はほぼ、(引き出しは)ゼロでやっていたので。いまはだいぶ、増えました。10個以上? そのくらいは増えたと思います」

 1次リーグの最終戦は米国(11日)と対戦する。よく鍛えられた運動能力の高いチームであり、侮れない。

「やはりスクラムとラインアウトの安定は重要になってくるんじゃないかと思う。特にスクラム。そこで優位に立って、どんどんプレッシャーをかけていきたい」

 日本でラグビー人気が沸き上がっていることに、堀江は「モチベーションが自然と高くなりますね」とうれしそうに言った。

 この人気を持続させるためにも、他チームの勝敗が絡む決勝トーナメント進出はともかく、さらに歴史に残るW杯3勝目がほしい。 

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