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ラグビーW杯開催決定! 釜石が目指す真の復興とまちづくり (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 小倉和徳 ●写真 photo by Kazunori Ogura

 もちろん、30年ほど前、前人未到の日本選手権7連覇を果たした“北の鉄人”新日鉄釜石の好イメージはある。まちの盛り上がりを考えれば、その流れを汲む釜石SWの上昇傾向も大きかった。ラグビーのまち・釜石ファンが、有力な政治関係者を含め、全国各地に多いというのも無関係ではあるまい。

 だが、課題は山積している。予定通り、新スタジアムが、W杯の1年前となる2018年秋には完成できるのか。総工費約27億円といわれる経費は大丈夫なのか。釜石市だけでなく、岩手県の支援、国からの補助金、スポンサー集めなど、やらなければいけないことは多々、ある。

「スタジアムは大丈夫ですか?」とストレートな質問を記者会見でぶつければ、釜石市の野田武則市長は「完成しないと、(試合が)できませんから」と苦笑した。喜びも控えめだったのは、被災地の複雑な市民感情や財源確保などの苦労を思ってのことだろう。

 同市長はこう、続けた。「まずは選手のみなさんが、釜石で思い切って試合ができるような“おもてなし”作りと環境整備を進めていきたい。全世界のみなさんに、我々の取り組む姿と、復興した釜石の姿を見てもらいたいのです」

 また、大会を成功に導くためには、鉄道や道路などアクセスの整備、練習会場、宿舎の確保、ボランティアの育成、市民のホスピタリティの醸成などもある。少なくとも2019年までには、釜石SWのトップリーグ昇格を果たしておきたい。

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