2015.03.04

ラグビーW杯開催決定! 釜石が目指す真の復興とまちづくり

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 小倉和徳 ●写真 photo by Kazunori Ogura

 奇跡である。被災地の「ラグビーのまち」にラグビー2019年ワールドカップ(W杯)がやってくる。なぜ、岩手県釜石市がW杯開催地に選ばれたのか。大会を成功させるための課題は何なのだろうか。

「カッマイシ~!カッマイシ~!」。2日夜、釜石市鵜住居(うのすまい)の新スタジアム予定地そばの老舗旅館『宝来館』では、約100人の市民の”釜石コール”が沸き上がった。小学生たちも小さな大漁旗を打ち振りながら、小躍りする。歓喜の爆発。市民とほぼ同じ数のメディアの多さが、「釜石決定」の話題性の大きさを印象付ける。

3月2日、釜石市が2019年ラグビーW杯開催地に 決定。地元の小学生たちも歓喜に沸いた

 地元住民らによる誘致推進会議代表の中田義仁さんは声を張り上げた。

「震災でほんと、私たちは、いろんなものを失ってしまいました。その中で、ワールドカップを開こうとがんばってきた。釜石は”ラグビーのまち”だ。このまちでワールドカップを開催することが、震災からの復興を加速させ、未来につながると確信しています」

 震災直後、突如、この夢物語が湧き出てきた。壮大なる挑戦は時間が経つごとに現実味を帯びてきた。たしかに「生活が先。まだワールドカップどころじゃない」との反対する被災者の声もあった。実際、約2千人の市民がいまだ仮設住宅に住む。