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【ラグビー】195cm、129kg。フィジーの怪物が「トライ数新記録」達成間近

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

フィジー出身の巨漢WTB、NECのネマニ・ナドロフィジー出身の巨漢WTB、NECのネマニ・ナドロ

 ラグビーのトップリーグ(TL)のレギュラーシーズンは大詰めを迎えた。スタンドは寂しいけれど、俄然、ピッチ上の戦いが熱くなってきた。なんといっても世界トップクラスの外国人選手のプレイが面白い。

 いるわ、いるわ。先のワールドカップ(W杯)ニュージーランド大会で優勝したニュージーランド代表オールブラックスのCTBマア・ノヌー(リコー)ほか、南アフリカ代表のSHフーリー・デュプレア(サントリー)、元豪州代表のフランカーのジョージ・スミス(サントリー)ら役者がズラリ。

 どの選手も基本プレイの精度が高い。スピード、パワー、スキルはもちろん、体幹がしっかりしている。だから身体の軸がぶれない。安定感があるのだ。

 人気という点では、"フィジーの怪物"、ネマニ・ナドロ(NEC)が一番だろう。面白い。つい笑ってしまうほど面白い。大相撲の初場所千秋楽の日曜日は、東京・秩父宮ラグビー場に大相撲の力士がひとり、紛れ込んだようなものだった。

 でかい。公式メンバー表をみれば、195cm、129kgとなっている。足のサイズが33cm。これでWTB。対戦相手のコカコーラウエストの向井昭吾監督が会見でぼやいた。「相撲取りがいるとふたりはマークしないといけない」と。

 NECはどちらかというと、ディフェンスのチームだった。だがナドロが加入した今季、攻撃力が格段にアップした。ここまで8勝3敗と健闘しているチームの中で、間違いなく躍進の原動力となっている。WTBに回せば、ほとんど大幅ゲインしてくれるのだ。相手をぶっ飛ばし、大きなストライドでぐいぐいと走る。キックオフのボールでもダーッと走り込んで、ジャンプ一番、好捕して相手を蹴散らしていく。

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