2012.02.08

【ラグビー】「W杯で勝つために」。
マイケル・リーチが突き進む充実の日々

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • photo by Nakanishi Yusuke/AFLOSPORT

ジャパンでも、所属する東芝でも、チームの中心になりつつあるマイケル・リーチ
 うごく。右から左へ、黒ヒョウのごとく。敵陣ゴール前のラック。右のオープンサイドに立っていた深紅のジャージの背番号7はブラインドサイドのスペースを見つけるや、とっさにその穴にダッシュした。

 日本代表の成長株、東芝フランカーのマイケル・リーチである。後半10分過ぎ。スピードでパナソニックのダニエル・ヒーナンをかわし、タックラーの飯島陽一を引きずりながら、ボールを鷲づかみにした左手をぐいを伸ばした。左隅のゴールライン上だった。

 相手の反撃意欲をそぐ、価値あるトライである。31-10。リーチが大きな左手を見ながら、小声で振り返る。

「パッと見たら、スペースがあった。迷わず、ボールをもらった。あのトライで、相手の流れを崩した。いい流れができた」

 今季8トライ目。「ルーキーオブザイヤー」に突き進む。過酷ながら、充実の日々を送る。しなやかなスピード、バランスは相変わらずだが、ゲームの理解度、判断力、運動量が間違いなくアップした。

 東芝ならではの体をぶつけあう"痛い練習"でフィジカル・フィットネスも強くなった。パッと見、背中が大きくなった。メンタル、すなわち「戦う魂」も。

「もっと強くなるには、メンタルも強化しないといけない。ほんとうの意味での自信。そのためには練習して、試合で勝って勝って勝って、勝ちたい」

 2月5日の秩父宮ラグビー場。トップリーグ(TL)最終戦で東芝は59-25でパナソニックに圧勝した。リーチのプレイのごとく、ボールキャリアが判断よく動けば、周りが即座に反応していく。

 なんと言っても、個々のフィジカルが強い。ボールが動物のようにナチュラルに動き、どんどん攻めていく。チームの文化『スタンディングラグビー』に徹し、全員でつないで走りまくる。