2012.02.20

【ラグビー】目指すは「バルセロナ」。
サントリー指揮官エディ・ジョーンズのスタイル

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

前半にトライを決めた平浩二。攻撃的な姿勢を貫いたサントリーがNECに大差をつけて勝利し、プレイオフ決勝へ進出した これぞ『アタッキングラグビー』の本領発揮である。全員が、攻撃の意志とプライドを持っている。寒風をつき、走って、つないで、サントリーが大量8トライを奪取した。

 監督のエディ・ジョーンズの目が珍しく笑っている。

「ゲームの終盤になってもスマッシュをし続けてくれた。とくに後半はチャンピオンチームのプレイができた」

 トップリーグ・プレイオフの準決勝(19日・秩父宮)だった。前半で37-3とNECに大差をつけた。こうなると、どうしても気の緩みが出るものだ。

 でもハーフタイムのロッカールームには緊張感があふれていた。FWとバックスに分かれて前半のプレイを反省し、エディが最後、修正点を伝える。課題の提示は明確だ。ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)でしっかり相手を仕留めろ、ディフェンスでは互いのスペースを保て、と。

 後半が始まる。温存していたNECの"フィジーの怪物"、ナドロのお出ましである。リーグ戦で19トライを挙げた大型WTB。「ナドロVS全員ラグビー」の様相を呈した。

 後半20分過ぎだった。そのナドロが左ライン際を爆走する。ゴロキックを蹴る。右手で拾おうとして、ボールがこぼれた。戻ったSO野村直矢が奪取する。サポートがつく。自陣のゴール前から全員反撃がはじまった。

 あたかもボールが生きているかのように動きだす。走る。寄る。途中から入ったSH日和佐篤がボールをさばく。左へ、右へ。黄色と黒色のサントリージャージが次から次にわき出てくる。速い。うまい。