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【バドミントン】注目の19歳・宮崎友花、初出場の世界選手権で16強敗退に「終わり方が残念でした」 (2ページ目)

  • 平野貴也●取材・文 text by Hirano Takaya

【「だんだん自分のプレーを取り戻してきた感じ」】

 若くして世界の第一線に踏み込んだ宮崎には、肩書きと期待がついて回る。若き全日本女王であり、ロサンゼルス五輪の星である。世界ランク8位(8月26日更新時)であり、どの大会でも上位候補の一角だ。

 ただし、ノーマークだった少し前とは異なり、世界の強豪から警戒され、研究されている。急速に躍進し、より強い相手に勝ちたい、より大きな大会を勝ちたいと欲が出る時期だが、勝利は以前より難しくなっている。期待値と現在地のギャップが広がるようだと、苦しくなる。その点、格付けだけを考えれば、もっとスムーズな勝利が期待される1、2回戦で、思うようにいかなくても我慢強く戦えたのは光明だ。

「体力的にきつくなるので、2ゲームで抑えたい気持ちもありましたけど、やっぱり1日の試合を頑張りたいというのが目標です」と、宮崎は2回戦後に話していた。

「だんだん、自分のプレーを取り戻してきた感じ。自分の中でのよいプレーには、まだまだほど遠いけど、本当に悪くて迷っていた時期よりも、今日はすごく、よい方向に成長できているかなと感じました」

 より早く、より高く躍進する宮崎の姿を期待する人は、少なくない。もしかすると、上位に進めていない6月以降の状態は、停滞や伸び悩みに見えるかもしれない。だが、それもステップアップに必要な経験なら受け入れ、乗り越えるしかない。

 宮崎はこれまで足早に成績を伸ばしてきた。高校3年の2024年に日本A代表に昇格。同年3月にオルレアン・マスターズでBWF(世界バドミントン連盟)ワールドツアー大会を初優勝。9月の香港オープンでは、もうひとつ格上のスーパー500で4強入りし、さらに最上級スーパー1000の中国オープンで準優勝している。

 2024年1月に39位だった世界ランクは、今年1月に7位まで上昇。国際的にも注目される存在となった。勢いは今年序盤も続いていたが、6月以降はシード同士の対決にたどり着かず、思いきったプレーが影を潜めていた。優勝を目標に掲げた7月のダイハツジャパンオープンも、2回戦敗退だった。世界選手権に関しては「ひとつの大きな大会とは考えているんですけど、まだまだ結果も出していない。すごく大事な大会と思いすぎるのもよくないというか、自分自身にプレッシャーをかけてしまう。とりあえず、1試合1試合、頑張りたい」と直前合宿で話していた。

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