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バドミントン「シダマツ」が全日本初制覇で示したもの 躍動の2024年から新たなステージへ (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

 躍動のシーズンとなった2024年、その1年間について志田はこう振り返った。

「五輪(代表選考)レースと五輪本番と、すべてが自分たちにとって初めての経験。自分の気持ちや体がついてこない時期もあって、悩むことがすごく多かった1年でした。でも終わってみると、すべてがプラスになるいい経験になっていて、今日の優勝にもつながったと思っています。本当に成長させてもらった1年だったかなと思います」

 片や、松山は2024年をこう振り返った。

「五輪でメダルを獲ることができ、この全日本総合も優勝できてうれしいけど、ツアーを振り返ると1勝もできなかった。それが、すごく心残り。それは、来年に持ち越して頑張ろうと思います」

 全日本総合を終えて、松山は2週間ほどの休養を取る予定だという。

「五輪が終わってから、体重が(減る一方で)全然元に戻らないので、栄養士さんからは『休んでいる間は好きなものを食べて、体重を増やして(チームに)帰ってこい』って言われているので、美味しいものをいっぱい食べたいと思います」

 一方の志田は、松本が休養中にリオデジャネイロ五輪金メダリストの松友美佐紀(BIPROGY)とペアを組んで、マレーシアオープンとインドオープンに出場。今後の「シダマツ」へのさらなる糧としていく。

「違うパートナーと組むときは個々の力を試されるので、自分の実力を試したいなと思っています。松友さんは自分とプレースタイルが違うし、松山とも全然違うけど、自分たちにはないものを持っている選手。経験値もすごく高いので、(松友から)たくさんのことを学びたい」(志田)

 連戦の疲労を抱え、五輪メダリストとしてのプレッシャーも感じながらも、全日本総合のタイトルを手にしたシダマツ。2025年もその活躍が期待される。

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