12歳からマレーシアで単身スカッシュ修行 渡邉聡美が日本を飛び出して世界5位のトッププロから学んだこと (4ページ目)
【金メダルも夢じゃない場所にいる】
── 渡邉選手は8歳からずっとスカッシュを続けています。あらためて競技の魅力を教えてもらえますか。
「スカッシュは老若男女を問わず、誰でも挑戦できるスポーツです。それが大前提ですね。そのなかで、パワーやスピードだけでは勝てない相手に対しても、戦略を練って立ち回れば勝てるチャンスがあるという、楽しさが詰まったスポーツだと思います!」
── オリンピックの正式種目に選ばれたことで、多くの人がスカッシュの試合を見る機会も増えると思います。どのようなところに注目すればいいでしょうか?
「スカッシュを見る方には、競技としてのフィジカルな躍動感やスピード感、そしてアクロバティックなプレーを楽しんでほしいですね。私自身はアタッキングプレーヤーなので、気迫のある勝気なプレーを見てもらえたらいいな。
最近では、全面ガラスのコートで試合が行なわれたり、コート上のラインがライトで照らされていたり、プロのトーナメントでは試合前のパフォーマンスやビジュアルにも力を入れています。そういった演出にも注目してほしいです」
── 最後にあらためて、ロス五輪の目標を。
「もちろん、金メダルを獲りたいです。そこを目指して、この3年、4年をがんばっていこうと思っています。今、それが夢じゃない場所まで来られていると思っているので、本当にここからが勝負だと思っています!」
<了>
【profile】
渡邉聡美(わたなべ・さとみ)
1999年1月15日生まれ、神奈川県出身。8歳の時にスカッシュと出会い、12歳でマレーシアにスカッシュ留学。高校卒業後にロンドンへ留学して学業と競技をこなす。全日本スカッシュ選手権は2017年から5連覇を達成。2023年の杭州アジア大会で日本人初の銅メダルを獲得し、2024年3月には世界ランキング4位のネレ・ギリスに勝つなど、世界ランキングを13位まで伸ばす。正式種目となったロス五輪でメダル獲得を目指す。身長170cm。
著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。
【写真】日本スカッシュ界のホープ・渡邉聡美(25歳)フォトギャラリー
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