石川佳純が目指すのは「最強のプレー」。東京五輪でリベンジを期す (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by AFLO


 7月には、水谷隼のプライベートコーチとして2016年リオ五輪で2つのメダル獲得に大きく貢献するなど、数多くの実績を残してきた邱建新(チウ・ジェンシン/木下グループ総監督)を新コーチに。加えて妹・梨良(木下アビエル神奈川)が姉のサポート役として国際大会に帯同するなど、悪い流れを断ち切るべく、家族・スタッフ一丸となって試行錯誤を繰り返した。

 それでも成績は振るわず、世界ランキングは4月に6位、9月には8位とじりじりと降下。12月にはとうとう10位と2桁台にまで落ちてしまう。豊富な経験による強靭なメンタルを持つ石川でさえも、「20年の卓球人生で、ここまで体力的にも精神的にも厳しく感じたことはなかった」と話すほど、自国開催の五輪代表枠争いは考えられないほどのプレッシャーだったのだ。

 その中で、復調を実感したのは、11月に東京五輪と同じ会場である東京体育館で開催されたJA全農 ITTF 卓球ワールドカップ団体戦だった。日本は決勝で卓球王国・中国に0-3で敗れ銀メダルに終わるも、キャプテンとしてチームを牽引した石川は「内容的には自信がついたし、まだまだ伸び代はある」と手応えを得た。

 さらに続けて、「五輪でプレーする時に一番大事なのは"心"。(五輪では)今大会以上の重圧がかかってくるし、周りからは絶対に勝つことを求められる。それに耐えられる準備をして、最強のプレーができるようにしっかり鍛えたい」と本戦出場に向けて頼もしい言葉を残していた。

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