2020.02.28

水谷隼が「球は見えるか」の不安を乗り越え、復活の兆しを見せている

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by AFLO

東京五輪では団体戦メンバーとして金メダルを狙う水谷「自分を選んだこと後悔させません。ロンドン、リオと団体戦無敗()なので、そのまま東京でも全勝して自ら引退の花道を飾ります」
※個人成績

 1月6日、東京五輪の卓球日本代表「3枠目」の選手が発表され、選ばれた水谷隼は同日の夜に自身のツイッターでこのように投稿した。すでに東京五輪を最後に代表からは退くことを公言していたが、現時点でも世界ランキングで日本人トップ3に入るほどその実力は健在なだけに、記者として寂しさを覚えた。

 振り返れば、2019年は彼のキャリアのなかで最も過酷なシーズンだった。

 同年1月に行なわれた全日本卓球選手権大会の男子シングルスでは、2年ぶり10回目の優勝を果たし、V10という前人未到の偉業を成し遂げた水谷。Tリーグでも初代王者の栄冠と年間MVPのタイトルも獲得し、誰からも東京五輪の代表レースに向けて順調なスタートを切ったかに見えた。

 しかし、徐々にサングラスを付けながら臨む試合が見られるようになり、その姿に違和感を覚えた人も少なくはないはずだ。それについて水谷は、ここ1年「球が見えにくい状態」だったことを告白。厳密には、視力に悩み始めたのは5年前からだったという。