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スーパーボウルまであと一歩。
ファイナル4「勝利の方程式」を読み解く (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 今季のレギュラーシーズンでは、49ersがパッカーズを圧倒して37-8と完勝。パッカーズのエースQBアーロン・ロジャースから5サックを奪い、パスもわずか104ヤードに抑え込んだ。得意のパスラッシュが炸裂すれば、第47回大会以来となるスーパーボウル出場も自ずと見えてくる。

 それに対抗するために、ロジャースはWRダバンテ・アダムズとのホットラインの精度をより高めないといけない。

 歴代パサーレイティング1位(102.4)を記録しているロジャースは将来、間違いなく殿堂入りするだろう。だが、今季の個人成績は自身のスタンダードを下回り、やや衰えた印象を与えた。

 しかし、そんな周囲の雑音をロジャースは意に介さない。ディジョナルラウンドでは「ロジャースがロジャースたる」ところを証明するかのような、満点のパフォーマンスを披露した。

 ハイライトは第4クォーターだ。相手のシアトル・シーホークス(11勝5敗)に5点差まで追い上げられ、試合時間は残り2分19秒、サードダウン、残り9ヤード。ここでファーストダウンを更新しなければ、シーホークスに逆転の余地を与えてしまう状況だった。

 だが、ここでロジャースは難しいパスをアダムズに通し、ファーストダウンを獲得。全盛期に何度も見せてきた超一流のパスで、試合を決定づけた。

 スナップされる直前、ロジャースは事前に決められていたプレーアクションを瞬時の判断で変更し、アダムズへピンポイントパスを通した。その時の映像を見返してみると、ロジャースはアダムズとアイコンタクトを取っていた。

 試合後の会見で、ロジャースはアダムズとの呼吸を「何も言わなくても伝わる」と話した。49ersは強力なパスラッシュで襲いかかってくるであろうが、熟練の経験を有するロジャースがそれをどうさばくのか注目したい。

 果たして、どのチームが「勝利の方程式」を機能させてスーパーボウルの舞台に進むのか。緊張と興奮の「ファイナル4」の幕がいよいよ上がる。

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