日本ハンドボール界のために...。
池原綾香、デンマークから世界に挑む (3ページ目)
「正直、今季に移籍できる確率は5%あるかないかだと思っていたんです。でも、ウルリック(・キルケリー、昨年6月からハンドボール女子日本代表を指揮するデンマーク人監督)が、昨季までオーデンセの監督も兼任していたことで練習に参加させてもらい、そこに(ニューコビンの監督就任が決まっていた)ヤコブも見に来てくれた。
その時期にちょうどニューコビンが国内リーグの優勝をかけたプレーオフを戦っていたので試合も観ましたが、そこでニューコビンが勝ったことで、私も自動的にチャンピオンズリーグに出られた。ホントに運がよかったんです。
試合を観たときに、選手のレベルが高いだけでなく、盛り上がる会場やハンドボールが文化として根付いている環境を目の当たりにし、ここでやりたいと思いました。日本ではハンドボールはマイナーですが、デンマークでは子供からおじいちゃん、おばあちゃんまでよく知っていて、アリーナにもファンがたくさん来てくれます。私自身、メンタルが弱くてなかなか海外移籍に踏み出せませんでしたが、ここに来てみて、いまはもっと早くこっちに来るべきだったと思っています」
クリム戦は、ニューコビンの近隣の街アレーナ・ネストベズで行なわれたが、約3000人のファンで会場は埋まり、ゴールが入るたびに歓声が上がるなど、スタンドは大いに盛り上がった。こんな光景は、日本では見られないだろう。
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