【NFL】偉大な兄と比較され続けたイーライ・マニングの思い (2ページ目)
こんな偉大なパサーの兄と、イーライは常に比較され続けてきた。兄と同様にドラフト全体1位(2004年)で指名されたものの、ペイトンと比べてミスが多く、喝采よりも多くの批判を浴びてきた。活躍すれば「ペイトンのようにプレイした」と言われ、ふがいない試合をすれば「兄のようにはいかないな」と揶揄された。
しかし、そんなイーライが今季、劇的な成長を遂げたのである。故障者の続出したレギュラーシーズンは9勝(7敗)どまりだったものの、イーライはパス獲得距離で4933ヤードを叩き出し、キャリア最高記録を樹立した。とりわけ、試合を決する最終クォーターでの勝負強さが際立っていた。プレイオフを含め、第4クォーターで逆転劇を演じたのは、実に7度。スーパーボウルでも最終クォーターで15対17の劣勢から冷静なプレイを披露し、最後はジャイアンツを逆転勝利に導いたのである。
ニューオリンズ・セインツなどで活躍したQBアーチー・マニングを父に持つフットボール一家に育ち、子どものころは父に反発してフットボールと距離を置いていたというイーライ。しかし、プロ入り後の彼の成長を助けたのは、むしろその血筋だったと言えるのかもしれない。兄のペイトンが初めてスーパーボウルを制したとき、イーライには強烈な嫉妬心が生まれたというのだ。
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