2012.07.05

【卓球】世界トップレベルの女子団体。メダルの可能性は?

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

女子団体チームを牽引するふたりのエース、石川佳純(左)と福原愛(右) 五輪正式競技になった88年ソウル大会から代表を送り込みながらも、まだ一度もメダルに届いていない日本卓球。ロンドン大会は、その夢を叶えられる可能性が高くなってきた。

 その一番手となるのが、女子団体だ。7月4日現在の国別ランキング2位の日本は、五輪でも第2シードになることが有力。そうなれば、決勝まで中国とは当たらない組み合わせになるからだ。さらに主力の石川佳純の世界ランキングは、中国勢と韓国の金璟娥に次ぐ6位。福原愛も7位と、最強・中国に次ぐ座をガッチリとキープしている。

 女子で唯一の五輪初出場となる19歳の石川だが、世界選手権には中学3年生の2007年から出場しているので、『経験不足』というハンデはない。その強さの源になっているのは、負けん気の強さと、度胸の良さである。

 それを感じさせた一例が、石川が「ロンドン五輪のシングルス出場を狙う」と決めてからの行動だ。シングルス出場の2枠は、2011年5月の世界選手権終了時で、各国ランキングの上位2名に与えられることになっていた。2010年7月の時点で、石川のランキングは34位。10位の福原や13位の平野早矢香に追いつかなければ、出場権は得られない。すると石川は、8月末の中国オープンを終えると、9月にもポルトガルとエクアドルのジュニアオープンに出場することを決断したのである。

「(ジュニアオープンは)優勝しても8ポイントしか加算されないし、相手は格下だから負けたらランキングが下がってしまう。だけど五輪に出るためには、試合に行って全部優勝するしかない状況だったんです。エクアドルは気温が40度もある中での試合でしたが、あれを乗り越えて成長したと思う」と、母親の久美さんは言う。そして石川は、10月には世界ランキングを18位まで引き上げたのだ。

 また、試合中の度胸の良さも、半端ではない。父親の公久さんが「昔から、終盤で競っている状況で『他の選手なら打たないだろう』というような球でも、思い切って打っていった」と語るほど。初優勝した2011年1月の全日本選手権の決勝でも、対戦相手の藤井寛子から空振りを奪って優勝を決めたのは、試合で初めて使った新しいサーブ。村上恭和女子監督も「彼女の強さは新しいサーブをどんどん作り、それを試合でも攻めの姿勢でどんどん出せるところ。優勝を決めたシーンも、普段と逆に曲がるサーブで藤井の意表を突いた」と、その度胸に感心している。

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