【卓球】団体戦メダルの可能性を感じさせた石川佳純の快進撃

  • 折山淑美●文・取材 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

石川佳純、福原愛ともに次の団体戦でメダルを狙う石川佳純、福原愛ともに次の団体戦でメダルを狙う 第4シードで臨んだ初めての五輪。石川佳純は初戦の3回戦こそ格下の相手に2セットを先取されたが、「前よりも厳しいボールに反応できるようになったし、バックハンドのボールも前は当てるだけだったのが、今は振り切っていけるようになった」と話す通り、4回戦と準々決勝は安定したプレイを見せた。特にサーブで攻める強気な姿勢は、大舞台でも陰りがない。世界ランキング11位のワン・ユエグ(シンガポール)との準々決勝でも、十分に発揮された。

 ゲームカウント2対1で迎えた第4ゲームでは、ゲームポイントを握ってから粘られて10対8になると、自分からタイムを取った。冷静になれたところで、『コートに戻ってから閃(ひらめ)いた』と、上回転の新サーブで勝負を決めたのだ。彼女自身が、「あそこは10対9になったら挽回されていたと思う」という勝負どころだった。持ち前の攻めの姿勢が、初出場の五輪でベスト4進出を実現させた。

 だが準決勝は世界ランキング3位で、これまでの試合でも勝ったことがない李暁霞(中国)。結果は1対4で敗れて3位決定戦に回ることになったが「前半の2ゲームで焦り過ぎてしまった。1ゲーム目はけっこうチャンスボールをミスしたので......。1ゲーム目を取っていれば展開も違ったと思うけど、後半は自分らしいプレイもできたし、いいプレイが何回もあった」と手応えを口にする。大舞台の準決勝にも緊張することはなく、「李選手も、今まで対戦した中で一番緊張していたように見えた」と、相手を冷静に分析する度胸もあった。

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