【NFL】下馬評はジャイアンツ有利。スーパーボウルを制するのは?

  • 永塚和志●文 text Kaz Nagatsuka
  • photo by Getty Images

イーライ・マニングは兄・ペイトンを上回ることができるのか?イーライ・マニングは兄・ペイトンを上回ることができるのか?【第46回スーパーボウル展望】
ニューイングランド・ペイトリオッツvsニューヨーク・ジャイアンツ

 最終クォーター、時間はわずかしか残っていなかった――。

 試合時間残り1分15秒、相手ディフェンスのパスラッシュから脱したQBイーライ・マニングのロングパスを、WRデビッド・タイリーが左手とヘルメットで挟みながら奇跡的にキャッチ。このプレイが、試合のハイライトとなった。ボールを大きく進めたニューヨーク・ジャイアンツは、直後に逆転のタッチダウン。スーパーボウルの優勝カップ『ビンス・ロンバルディ・トロフィー』は、17年ぶりにジャイアンツの手に渡った。2007-2008シーズンのことである。

『Giant Upset』。翌日の新聞には、そんな見出しが伝播(でんぱん)した。史上2チーム目のレギュラーシーズン全勝(16試合制になってからは初)を遂げたニューイングランド・ペイトリオッツを、ワイルドカードで勝ち上がってきたジャイアンツが、スーパーボウルで撃破したのである。全米中がこの試合を『世紀のアップセット』と呼んだ。

 あれから4年が経ち、第46回スーパーボウルで再び、この両チームが相(あい)まみえることとなった。歴史は繰り返すものなのか、両軍の勝ち上がり方が4年前と良く似ている。今季のペイトリオッツはレギュラーシーズン13勝3敗でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の第1シードとなり、プレイオフを勝ち上がってきた。対するジャイアンツは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区を制したとはいえ、9勝7敗という成績。しかし、シーズン終盤から調子を上げ、勢いに乗ってスーパーボウルの開催地インディアナポリスまでたどり着いた。

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