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【バスケット】八村塁の日本代表復帰宣言 「プレーヤーファースト」を説き続けた信念と日本協会の変化 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Yoko Miyaji

【ロス五輪への思いを強くする背景】

 7月22日のメディア向けオンライン会見で、島田会長は八村と協力するプロジェクトについて、「世界に可能性のある、ポテンシャルのある選手たちを少しでも手を差し伸べたいという八村選手の思いと、それを歓迎する我々が、お互いに利害の一致じゃないですけれど、相思相愛というか、そういう感覚があったと思います」と言い、さらに「私とかJBAだけじゃなくて、業界全体として世界を意識しているがゆえに、八村選手と日本バスケ、JBAとの距離はすごい縮まっていると感じています」と、両者の良好な関係を喜んだ。

 八村にとっても、自身が力を入れている次世代の育成、世界で戦えるような日本人選手を育てるといったプロジェクトを協会と力を合わせて進めていくことで、協会の本気度もうかがうことができ、自分の意見を伝えやすい状況になってきている。

 そして、その先には、当然、A代表としても世界と互角に戦えるような本気のチーム作りという目標もある。直近では来年のFIBAワールドカップ出場、そして2028年のロサンゼルス五輪出場。8月末にはまずワールドカップ出場権を獲得するうえで重要なFIBAワールドカップ予選Window4の2試合、アウェーでのサウジアラビア戦、そしてホームでカタールとの対戦が行なわれる。NBAのオフシーズンに行なわれる貴重な試合ということで、八村や河村の出場にも期待がかかっていた。

 8月1日、東京都新宿区で行なわれた「BLACK SAMURAI 2026 TOKYO TALKSHOW」で、八村は、自身のファンの前で初めて、出場宣言を口にした。

「今回こうやって日本に帰ってきて、BLACK SAMURAIのキャンプをやって。実は僕、日本に1カ月ぐらいいるんですね。その理由としては、今回(FIBAワールドカップ予選の)Window4に向けて、日本代表に戻ろうかなと思って」

 さらに、こう続けた。

「また日本でプレーしたい、日本の代表としてプレーしたいって思います。あと僕、よく考えてみると、日本でプレーしたことはあまりないんですよね。なので、日本で本当の(真剣勝負の)ゲームをしたいということで、今回、皆さんの前でプレーできるということを楽しみにしています。日本のバスケを強くしていくため、オリンピックも LAであるので。自分としても、それに向けて日本代表としてまた頑張っていきたいと思います」

 2年後に、ロサンゼルス五輪のバスケットボール競技が行なわれるのは、クリッパーズの本拠地でもあるインテュイット・ドームだ。自身が所属するチームのホームコートで戦うオリンピックで、日本代表として世界と競い合うその日を励みに、八村はこの夏、そしてその先の2年間へと、新たな一歩を踏み出そうとしている。

著者プロフィール

  • 宮地陽子

    宮地陽子 (みやじ・ようこ)

    スポーツライター。東京都出身。アメリカを拠点にNBA取材歴30年余。アメリカで活動する日本人選手やバスケットボール国際大会も取材。著書に『The Man〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)、2023年1月発売の共著に『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』(集英社)。

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