【男子バスケ】渡邊雄太ひとりに責任は負わせない 日韓戦の敗北で考える「世界基準」と「個の力」 (2ページ目)
【17ものターンオーバーを記録】
渡邊は、最大の武器のひとつである機動力を生かしていた。タイミングよく中へ切り込み、センターながらアウトサイドでもプレーできるジョシュ・ホーキンソン(東京サンロッカーズ)からのパスを受けて得点する場面が2度ほどあったのは、彼のよさが出ていた証左だ。
敗退した韓国戦においても、序盤に齋藤拓実(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)からのパスを受けてアリウープダンクを叩き込み、続けて速攻からレイアップを決めるなど、日本が志向する展開の速い攻撃において欠かせない存在であることもあらためて印象づけた。
渡邊本人が言うように、韓国戦では4つのターンオーバーをし、中にはひどいパスミスもあった。しかし、中国戦と同じくこの試合でもホーキンソンに次ぐ18得点を挙げた。また、リバウンドは11本、ブロックショットとスティールはそれぞれ2本ずつ記録している。
敗戦濃厚で万事休すと思われた最終盤には、3Pシュートのバスケットカウントを決めて勝敗の行方を再びわからなくした。彼がコートに立っている時の得失点差はチーム3位のプラス7を記録するなど、攻守において本分を尽くしたと言える。
だが、そうした数字を並べても、この試合に敗れれば予選1次ラウンド敗退が決まっていた韓国は決死の覚悟で日本に相対し、攻守両面においてフィジカルの強さを生かして圧をかけてきた。それに対して日本は、17ものターンオーバーを記録してしまった。
ただ、戦前から韓国が「死に物狂いでプレーしてくるのは間違いない」(渡邊)ことはわかっていたわけで、彼らの圧をさばく的確な指示や声かけができなかったことを悔いたのだろう。
「個の力」は、日本のあらゆるチーム競技が世界の強豪と伍して戦う時のキーワードであり、それは今も変わらない。
バスケットボールにおいては、サイズに劣る日本が個人技で世界を相手に凌駕するのは容易ではなく、戦術や戦略を入念に立て、練習や試合を重ねて培った阿吽の呼吸を養うことで、集団として立ち向かうことが大前提だ。
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