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八村塁はなぜトレード要員に? レブロンやADとの関係は良好もチーム事情が影響か (3ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

【新天地で新たな役割を担うのも見たい?】

 複数の関係者の話を聞くと、「結局、大きなトレードは成立しないと思う」という見解が多い。それでも、八村の放出が考慮されているのは確かのようだ。

 そんな混沌とした状態でも、以前より成熟を感じさせるようになった八村は泰然としている。1月28日、敵地フィラデルフィアでの76ers戦後、トレード期限前にプレーする難しさについて聞いた際も表情を変えずにこう述べた。

「特にレイカーズにいると、そういう話はいつでもある。そこを気にしてやっていても仕方ない。プレーがよくても悪くてもトレードされるときはされる。コントロールできないところであり、NBAの厳しい世界でもあると思う。しっかりと心を引き締めて、自分ができること、やるべきことをやろうと思って毎試合やっています。そこは変わらないです」

 確かに状況を考えれば、直近の何試合かの活躍具合によって移籍の可能性が高まるわけでも、低まるわけでもない。だとすれば、考えても意味はないだろう。口先だけではなく、実際にトレード期限が近づいても八村のプレーの質が下がってないのは心強い。

 最後に個人的な思いを述べておくと、そろそろ新天地で違う役割を任される八村が見たい、という気持ちがあるのも事実ではある。今では完全に3-Dの役目に徹しており、速攻と3Pで平均12~13得点をマークする安定感は評価されてしかるべきだ。ただ、語弊を恐れずに言うと、八村のプレーはレブロン、デイビスと一緒にコートに立たなかった時のほうが見応えがある。

 デイビスがケガで欠場した1月30日のワシントン・ウィザーズ戦でも躍動し、22得点と活躍したのは象徴的だった。レブロン不在時には、得意のミドルジャンパー、ポストプレーを駆使する姿も頼もしさを感じる。それらを見て、「八村がもっと継続的にボールを持つところを見たい」と考えているのは、筆者だけではないのではないか。もちろん、移籍しても重要な役割を任されるとは限らないが、少なくとも楽しみは増える。

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