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八村塁はなぜトレード要員に? レブロンやADとの関係は良好もチーム事情が影響か (2ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

【トレード要因で八村の名前が挙がる理由】

 1月を終えたところでレイカーズは27勝19敗、ウェスタン・カンファレンス5位。実は、開幕前の大方の予想を上回る成績ではあるのだが、トップを走るオクラホマシティ・サンダー、2位のヒューストン・ロケッツなどと比べると、選手たちの若さ、勢い、身体能力などに大きな差があるように思える。

 端的に言って、現在のレイカーズは優勝のチャンスがあるチームには見えない。40歳になったNBAの王様、レブロンが引っ張るチームがそんな位置にいるのであれば、この現状は許されない。

「ビッグマンがもうひとり必要だと思っている。私はもうひとりのビッグマンの隣で、4番(パワーフォワード)でプレーする時がいつもベストだと感じるんだ」

 デイビスは1月下旬、ESPNのインタビューでそう語り、自身をサポートしてくれるセンターの獲得を熱望した。それに加え、新たなプレーメイカー、上質な「3-Dタイプ(3Pとディフェンスに特化した選手)」が加わればチームとして"御の字"なのだろう。

 そのような補強を念頭に置くのであれば、八村が主要なトレードの駒として認識されるのも当然のこと。今のレイカーズには、2029、2031年のドラフト1巡目指名権以外に、目ぼしい交換要員が少ないからだ。

 八村は26歳と年齢的に全盛期であり、年俸は1700万ドル(3年5100万ドル契約の2年目)と手頃なのも魅力的だ。上記のとおり、その多才さはレイカーズにとっても捨て難いが、戦力向上のための取引きを考えるなら、こちらも価値のあるものを差し出さなければいけない。

 昨年12月下旬、レイカーズが信頼性の高い3-Dタイプのドリアン・フィニー スミスを獲得しておいたのも響いてきている。加えて、守備に定評があるジャレッド・バンダービルトも故障から復帰してきた。これらのベテランたちが万全ならば、八村は重要な戦力ではあっても、"絶対必須"な選手ではないという見方もできる。

 レイカーズの補強のターゲットとなりそうなのは、ビッグマンならウォーカー・ケスラー(ユタ・ジャズ)、マイルズ・ターナー(インディアナ・ペイサーズ)といったところか。プレーメイカータイプならザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ)、ディアロン・フォックス(サクラメント・キングス)、八村よりハイレベルの3-Dタイプならキャメロン・ジョンソン(ブルックリン・ネッツ)なども考えられる。

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