和歌山南陵バスケ部の5人が見せた不屈の闘志 「棄権する選択肢もあったんですけど...」 (3ページ目)
ウインターカップ初戦で敗れたが、一時は2点差に詰め寄るなど奮闘した和歌山南陵バスケ部 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る「環境はすぐに変わるものじゃないと思うんですけど、新入生にはここでしか味わえないものを見つけて全力で楽しんでほしいです。僕も南陵に入って、近所の山や川を散歩したり、夜には人生で初めて流れ星を見たりして楽しんでいました。
最初は6人で試合に行くことが恥ずかしくて、周りからは『かわいそう』と言われることもありました。でも、クラウドファンディングで支援してくださる方々のおかげで心も安定して、応援のコメントを読んでモチベーションも上がりました。自分たちは本当に幸せ者だと思います。後輩たちも南陵でしか味わえないものを楽しみながら、新たな学校をつくり上げていってほしいです」
たった5人で全国大会を戦った和歌山南陵バスケ部。そのDNAは今後どのような形で残されていくのか。廃校寸前だった学校は蘇るのか。課題は山積みだが、ウインターカップの奮闘ぶりは多くのスポーツファンの脳裏に刻まれたはずだ。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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