バスケ日本代表とパリ五輪での経験をジェイコブス晶が語る 同世代の仲間たちへの思い
パリ五輪の経験を今の自分に繋げているというジェイコブス photo by Miyaji Yoko
後編:男子バスケ・ジェイコブス晶インタビュー
NCAAディビジョンI(1部)で2シーズン目を迎えたジェイコブス晶がさらなる成長を続けるため、奮闘している。
2024年夏のパリ五輪では男子バスケットボール日本代表最年少選手として戦ったが、その経験をどのように捉え、今に生かしているのか。また、同世代や後輩たちが日本の高校からNCAAやBリーグへと進むなか、その流れをどのように見ているのか。
今の思いを聞いた。
【「パリ五輪の経験を元に、今頑張っている」】
──去年の夏は日本代表のメンバーとしてパリ五輪に出場しました。現役のNCAAディビジョンIの男子選手でパリ五輪に出場したのは、ふたりだけだそうですね。
「はい。もうひとりはカーマン・マルアチ(デューク大/サウススーダン代表))。彼もNBAアカデミー・アフリカの人で知り合いです。オリンピックでも会いました。(NBAアカデミーでは)何回か対戦したのと、アフリカに行ったときもすごく仲よくなりました」
──オリンピックに出るということは特別なことだと思うんですけど、パリ五輪はどういう経験でしたか?
「やっぱりすごく自信になるし、すごく短い間ですごい経験ができたと思います。でも、オリンピックに出たというだけで、みんなが『この人、オリンピアンだからもうあきらめる』みたいな感じになるわけではありません。
やっぱりそういう経験も大事だし、忘れはしないですけど、その経験を使ってここで頑張るっていう感じにしようとしてますね」
──どんなことを得られましたか?
「みんなうまい相手で、フィジカルとかスピードとか(もあった)。そのなかでみんなが、どうにか活躍しようとしている。みんな、うまいので、細かいところをできる人が一番活躍するということはわかりました」
──最も印象に残っている場面や、試合は?
「(間髪入れずに)フランス戦ですね。世界でトップにいるチーム相手に、あそこまで戦えた。勝てたぐらいの試合なので、それが一番、印象に残りました」
パリ五輪フランス戦では、NBAの若きスター・ウェンバンヤマにマッチアップする場面も photo by JMPA
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著者プロフィール
宮地陽子 (みやじ・ようこ)
スポーツライター。東京都出身。アメリカを拠点にNBA取材歴30年余。アメリカで活動する日本人選手やバスケットボール国際大会も取材。著書に『The Man〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)、2023年1月発売の共著に『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』(集英社)。