富樫勇樹に海外ファンが「MVP」コール 千葉ジェッツ優勝で完結したEASLに続く茨の道と希望 (2ページ目)
EASLのヘンリー・ケリンズCEO photo by Kaz Nagatsukaこの記事に関連する写真を見る
ヘンリー氏は一方で、リーグの長として耳あたりのいいことばかりを言うのではなく、反省すべき課題についても忌憚なく語る姿勢を持つ。
たとえば今回のファイナルフォーに関してだが、開催概要の発表が2月初旬と直前で、現地にも千葉ファンはかけつけたが、その数は多いとは言えなかった。ヘンリー氏は「もし開催発表が4カ月早ければ、今回来てくれた倍の数(の日本のファンが)訪れていたに違いない」と語り、「来季のファイナルフォーの概要は、シーズン前に発表する予定だ」と改善を誓った。
【日本市場を狙うEASL】
現状、EASLには中国リーグ・CBAが参加していない。そんななかで、香港に本社を置く団体が、中国、日本、韓国などのチームを参加させる類似の大会「ライジング・イースト・アジア・リーグ(Realeague)」を立ち上げる計画が進んでおり、それもEASLの存続が危ぶまれる理由となっている。
Realeagueの詳細はまだ明らかになっていないが、ヘンリー氏は「われわれとしてはBリーグ、KBL(韓国)、PBA(フィリピン)、P.リーグ+(台湾)、国際バスケットボール連盟といったステークホルダーとの関係強化に集中していますし、来季は今年の倍、すばらしいシーズンになります」と自信を見せる。同氏はまた、2025-26シーズンには他国リーグを加えてさらにチーム数を現行の8から16へ増やす考えを明かしている。
EASL は、国際バスケットボール連盟からの公式な支持を得ていることもあり、EASLのほうが優位な立場にあると言われている。一方で、EASLの永続的な開催はどれだけ安定的に資金を調達できるかが鍵を握るとされ、投資銀行で働いていた経験があり財務に明るいヘンリー氏に期待がかかる。
その意味では、これから日本のマーケットでEASLがどこまで浸透していくかが、重要となる。ヘンリー氏は、EASLに参加するリーグにはそれぞれが「旗振り役」になってもらう必要があるとしながらも、とくに創設から急速な成長を遂げビジネス面ではアジアのみならず世界においても存在感を増しているBリーグが、重要なパートナーだという認識を示している。
日本のマーケットへの働きかけを狙うヘンリー氏は、「日本のバスケットボールファンに『EASLのことを知っていますか』と聞いたら『知っている』と答える人は30%もいないのでは」とEASLの認知度の低さを認識しており、「そこをマーケティング面からのアプローチで変えていきたい」と語る。
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