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「スーパースターと言われるのは理由がある」渡邊雄太がケビン・デュラントから日々の練習をともにして学んだこと (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

【デュラントが一流である理由】

 渡邊に、ケビン・デュラントやカイリー・アービングらNBAの一流選手と練習をともにし、毎日を一緒に過ごしたことでわかった一流ならではのすごさは何だったかと聞いてみたら、こんな答えが返ってきた。

「練習の初日から、スーパースターと言われるのは理由があるんだなっていうのはすぐにわかりました。KD(デュラント)が練習している時間帯というのは、チーム練習でも個人練習でも、本当に一切ダラダラした瞬間がない。

 毎試合ほぼフルで出ている選手なんで、個人練習の時間が長い・短いはおそらく日によってそれぞれあるんですけど、そのなかでドリブルひとつをとっても、パスにしても、シュートにしても、自分がやるって決めた時間のなかで、もう本当に一瞬でも彼が気を抜いたりダラダラしたりした瞬間っていうのは1回も見なかったです。

 外から見ていたら、彼はあれだけ身長があって、技術があって、もしかしたら人によっては『あれだけの能力があれば、NBAでも活躍できるのは当たり前』っていう人がいるかもしれないんですけど、やっぱりそれを裏づけるだけの努力があるんだなっていうのが、改めて今シーズン、彼と一緒に生活できて感じた部分でした。

 あそこまで自分の練習を大切にする人っていうのは、今までもちょっと見てこなかったかなっていうくらい、本当に彼のワークアウトには圧倒されました」

 渡邊自身も人一倍練習し、努力して成長してきた選手だ。そんな彼をもって「圧倒された」と言うほどのデュラントのワークアウト。そして、スーパースターの派手な部分ではなく、毎日の努力や、その時の姿勢にすがさを感じた渡邊。

 これまでよりひとつ上を目指し始めた時に、そんな一流の姿勢に触れたことが、渡邊の今後のキャリアにどんな影響を与えるのだろうか。今から来季が楽しみだ。

著者プロフィール

  • 宮地陽子

    宮地陽子 (みやじ・ようこ)

    スポーツライター。東京都出身。アメリカを拠点にNBA取材歴30年余。アメリカで活動する日本人選手やバスケットボール国際大会も取材。著書に『The Man〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)、2023年1月発売の共著に『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』(集英社)。

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